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プロフィール
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木彫り職人になった、きっかけ
こんにちは。蔵王一刀彫のざおう彫刻工房代表、石橋 康宏(いしばし やすひろ)と申します。
私は、1982年に奈良県で生まれ、大学卒業後、自動車の営業マンを5年勤めている間に見たTV番組をきっかけに、奈良の伝統工芸の道に進みました。
なぜ、伝統工芸の道に進んだかというと、TV番組内で仏像彫刻の専攻がある学校があることを知り、奈良には仏師(仏像を彫る職人)がほとんどいないこともあり、 「伝統工芸をやる人がどんどん減ってきているこの現代、誰かがではなく、自分がやらねばならない!」という気持ちが湧いてきました。 すぐに仕事を辞め、伝統工芸の技術を身につけようと京都伝統工芸大学校に一念発起して入学し、伝統工芸の道を歩み始めました。学校卒業後
しかし、学校卒業後の現実は甘くはありませんでした。
卒業後は仏師に弟子入りしたり、彫刻家の方のお手伝いをしたりして、何とかして彫刻の道でやっていけるよう頑張っていましたが、思うように進んでいかないことが多く、苦しい思いをすることがほとんどでした。
師匠との出会い
故郷の奈良に貢献したい気持ち一心で悪戦苦闘していた時、
たまたま奈良の伝統工芸館にぶらっと入ると、そこの館長(のちの師匠)から奈良の伝統工芸(奈良一刀彫、赤膚焼、奈良漆器等)の後継者育成制度を教えていただき、しかも運よく空きが出て追加で募集があるという朗報を知ってすぐに応募。
行動がみのり、見事採用され、館長(奈良一刀彫の五代目、神箸東林師匠)との出会いが奈良一刀彫への道を歩むきっかけとなりました。
伝統工芸を後世に
師匠には、奈良一刀彫の歴史から技術的なこと精神的なことまで丁寧に教えていただきました。
師匠は弟子たちのことをいつも一番に考えてくださり「初心者の人ほど良い木を使うんやで〜良い木は誰が彫っても彫りやすいから。慣れてきたら癖のある悪い木でも彫れるようになるからな〜!」と
普通は初心者には悪い木を使って練習させるようなイメージがありますが師匠は全く逆で一番良い木をいつも使わせてくださいました。
そんな優しい師匠からいつも言われていたのは、「伝統工芸を後世に伝えいていくことの大切さや面白さを君たち若い子らがやっていくんやで!」と叱咤激励していただき、
自分もそういう人間になりたいと自分の人生の指針になるようなものを見つけることができました。
蔵王町へ移住
京都の伝統工芸大学校専門学校で陶芸を学んでいた妻と出会いました。
彼女の実家が蔵王町で、窯元を開いていたんです。彼女は家業である陶芸を継ぐため、そして私も妻との結婚を機に蔵王町へ移住することを決意しました。
蔵王に移ってからは奈良一刀彫の伝統を守るだけでなく、東北の人達に奈良一刀彫のことを伝えつつ、自らその技法や技術を用いて新たに『蔵王一刀彫』を立ち上げ東北の地に愛してもらえるような工芸にしていきたい、そして後世にその技術・技法・想いを伝えていくことに信念を抱いています。
想い
2016年(平成28年)に工房を開き、現在オーダーで製作を依頼されることが増えてきました。
「子供や孫が生まれたので贈り物にしたい」「還暦を迎えた自分に贈りたい」「大切な人や動物をなくしてしまったけど、その存在を近くに感じたいので彫刻にしてほしい」など、
一人一人頼まれる方にはそれぞれの想いがあり、私はその想いを形にしていくお手伝いをしています。
第一に喜んでいただけること、笑顔が見れることが何よりも嬉しい限りです。
お客様に喜んでいただけるよう、一つ一つ丁寧に作っています。ぜひお気軽にご相談ください。これからもよろしくお願いします。石橋 康宏